ハーレー パン・ショベルヘッドが片肺になってお困りの方へ。原因と解決方法

ハーレーのショベルヘッドやパンヘッドが出先で片肺になり困ったという話をよく聞きます。


症状としては


エンジンの回転が上がらず、

アイドリングは安定せず、

アクセルを開けるとマフラーからパンパンと音がして

キャブレターへの吹き返しも出ます。


排気音を聞いてみると、ド、ド、ド、ド、とまるでシングルエンジンです。




これがいわゆる片肺です。



原因は様々ですが、よくある原因と解決方法を紹介致します。(すべてがすべてこのパターンに当てはまるとは限りません。あくまでもよくある場合です。)



先ず、どちらのシリンダーが死んでいるか判断します。


ほとんどの場合後ろ側です。




答えから言うと、後ろのシリンダーのプラグの火が飛ばなくなっているのです。



プラグを交換したら元気に走ります。



しかし、これではなんの解決にもなりません。



では、なぜ後ろ側のプラグがダメになってしまうか?そこを解決すればOKです。




まず1つめ!


3拍子を出す為に点火タイミングを遅くしすぎている。

ショベルやパンの場合、フロントシリンダーの点火タイミングをアドバンスマークで合わせた場合でも、リアシリンダーの点火タイミングは結構遅めなのです。

3拍子を出す為に点火タイミングを極端に遅くするとフロントはまー良いですが、リアの点火するタイミングが遅すぎるのです。
やり過ぎていると排気行程で点火している場合もあります。

そうなるとしっかり燃焼しませんのでプラグがかぶってしまいます。





プラグが完全にかぶってしまうと火が飛ばなくなりますのでリアシリンダーが死にます。







2つめ!!



燃料が濃い。


特にパンやショベルは前後のシリンダーでのプラグの焼け具合が違います。

先に書いた通り前後で点火しているタイミングが違うからなのですが、

多くの人がフロントシリンダーだけのプラグの焼け具合でキャブレターをセッティングしている事に問題があります。


フロントのプラグの焼け具合がちょうど良い状態ならば、リアのプラグは少しかぶり気味になります。


空冷のハーレーエンジンはシリンダー温度が上がりやすいので、燃調を濃いめにするのが定番ですが、
フロントのプラグをかぶり気味(燃調濃いめ)にすると、リアは結構かぶり気味になります。





プラグが完全にかぶってしまうと火が飛ばなくなりますのでリアシリンダーが死にます。






以上の症状に心当たりのある方は、

・点火タイミングの見直し
・燃調の再調整


を行ってみてください。


ポイント点火の方はコンデンサーを高性能な物に変更するのも手段のひとつです。




もちろん片肺には他にも様々な原因があります。

・二次エアの吸引
・コンデンサーの不良
・ポイントの不良(ポイントギャップ含む)
・プラグコード不良
・圧縮漏れ(ガスケット抜け、プッシュロッド不良、バルブ不良)

など。




それでは、快適な旅を〜!!




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プロフィール

爆音さん

Author:爆音さん
整備やカスタムについて共有しましょう。
現在行っているものや、整備学校時代に撮った写真を使って記事を書きたいと思います。
ハーレーに限らず、バイクを分解整備する時に是非使って頂きたいのが、適切な工具とメーカー発行のサービスマニュアルです。
マニュアルには分解手順、注意点、締め付けトルク、組み立て手順が記されています。
特に、ハーレーのマニュアルはその順序が事細かにかかれていると思います。しかし、日本語のサービスマニュアルがあまり出回っていないのも事実。
ほんの少し、分解整備の手伝いになればと思います。
分解整備は個人の責任に於いて行ってください。

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