足付き性向上の為にCD90s BENLYのシートのアンコ抜きをしてみた。

前回の記事、「CD90S BENLYのリアサスのスプリングをカットしてショートサスに改造してみました。」で、ローダウン5〜6cmのうちの4cmはリアサスのスプリングをカットする事でクリアしました。

4cm以上リアサスでローダウンをすると車体が跳ねた時にフェンダーがタイヤに干渉してしまう恐れがあります。

リアをリジッドサスにし、フロントフォークもショート化すれば目標の5〜6cmダウンも可能ですが、今回は”できるだけ安く”と言う条件付きです。

また、今回の目的は足付き性向上であって、車高を下げる事が目的ではありません。


その為、シートのアンコ抜きを提案致しました。

「アンコ抜き」とはシートをモナカに見立てた表現で、

モナカのアンコを抜く=シートの中のスポンジを抜く

という事です。



※実際にシートの中にアンコが入っているわけではありません。




目標は乗車位置の2〜3cmダウンですが、かかとが付けばOKです。



作業はそんなに難しくありません。


このバイクのシート張り替えにタッカーは要りません。



まず、リアキャリアを外し、シートを車体から外します。

そして、シートカバーをはがします。(写真では車体に乗っていますが、撮影の為に乗せただけです。)

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シートベースからクッションをはがします。
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これが「アンコ」無しの状態。
乗車位置はかなり下がりますが、さすがにこれではお尻がアイタタです。
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乗車位置を下げる為には、シートのお尻が乗っかる部分、つまり、シート後方のスポンジを削る必要があります。
ここが2〜3cm低くなると乗車位置は2〜3cm下がるという事です。

また、太ももが当たるところも削って、より足を地面につけ易くします。(少し細くする感じ)
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大まかなカットをカッターナイフや発泡スチロールカッターなどでする方もおられるようですが、私は目の粗いディスクグラインダーで削っていきます。
カッターナイフで切るのはとても難しく、切りすぎてしまう失敗が起きやすいからです。


車体に乗せて高さや乗り心地を確認しながら削っていきます。

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シート前後の端っこまで削ってしまうとシートカバーの修正が必要になってきます。
そうなるとコストは格段にアップしますので、このように、シートの後ろ側は残した状態で、お尻の位置を削ります。
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これで、お尻の位置が3cm下がりました。
太ももがあたる部分の角も滑らかにしています。

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これで良いなと思ったら、シートカバーを張り直します。
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アンコを抜いてお尻部分が凹んでしまったので綺麗に貼るには多少引っ張らないといけませんが、引っ張りすぎるとシートカバーが破れやすくなりますので、引っぱりはほどほどにします。
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わかり難いですが、太ももが当たる部分が少しスリムになっています。
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この状態で試乗して頂きます。
リアサスのショート化とシートのアンコ抜きでかかとまでしっかりと着地できました。
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後はリアキャリアを取り付けて完成です。



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CD90S BENLYのリアサスのスプリングをカットしてショートサスに改造してみました。

ある日、こちらのバイクの車高を落として欲しいと依頼がありました。


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足付き性向上の為です。

乗り心地は悪くなっても良いから、足がぴったり地面につく程度に、できるだけ安く仕上げて欲しい、という事です。


5〜6cmは下げないと足が地面に付きそうにありません。

そこで、リアサスの改良とシートのアンコ抜きを提案しました。

ノーマルのHONDA CD90 BENLYのリアサスは軸間340mmです。

リアサスで40mm下げて、シートで20mm下げようと決めました。


リアサスを社外品のものに交換すれば速くて簡単なのですが、コストもかかります。

また、CD90のリアサスは上下の取り付けボルトが12mmと10mmとなっていて、モンキー用などの上下10mmのモノは使用できません。
それに、安価で流通しているモンキー用のカスタムショックは、CD90に取り付けた場合チェーンガードに干渉する可能性が非常に高いのです。


という事で、今回はノーマルのリアサスを分解し、中のバネをカットしてサスを短くする作戦にしました。



写真ではわかり難いですが、メッキのカバーを押し下げ(写真では上下逆になってます)、隙間からバイスプライヤーを突っ込んで、ダンパーの芯を固定します。

そして、共回りしないように固定して緩めます。

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バラバラになったリアサスはこんな感じです。

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スプリングを端から4cmカットします。

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元通り組み立てて完成です。

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芯の長さはそのままなので引っ張ると340mmまで伸びてしまうのですが、ご年配の方がバイクを持ち上げるという事は想定外なので、これで良しとします。



次はシートのアンコ抜きです。


つづく

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SHL M04のキャブレターを分解洗浄するついでにエアクリを燃焼洗浄してみました。

表題のSHL M04とはポーランド製のバイクです。

今回分解清掃するM04のキャブレターは1942年製の車体のものです。

部品点数も少なく、非常に単純な構造です。
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フロートチャンバーが分離して付いているタイプです。
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エアクリはオイルやらガソリンやらホコリやらでギトギトです。
フィルターは金属製の目の粗いスポンジのようなものが入っています。
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キャブレター本体の構成部品はこんな感じ。(ニードルやスロットルバルブは別)
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チョークはなく、エンジン始動するときの燃料が濃い状態を作る為にはフロートチャンバー上部の棒(?)を押し込んでフロートを強制的に下げ、キャブレター内へガソリンを流し込みます。
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こんな感じなんで、エアクリはギトギトです。

エアクリはカシメてあるので分解が不可です。

中のフィルターを洗浄するには、洗浄液につけ込むか、汚れを燃やすしかないです。


今回は燃やす方を選択しました。


理由は派手で面白いからです。

ガスバーナーで燃やします。
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ファイヤーファイヤー!!
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ボルケーノ!!
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表からも燃やします。(実は表を先に燃やしました・・・)
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めらめら燃える炎を見たい方は動画で御楽しみください。




燃やした後はエアーで燃えかすを飛ばします。
ギトギトオイルが燃え切っていますのでゴミや錆がキレイに飛んでいきます。

ゴミを飛ばしたら軽くオイルを塗るなどして、防錆をします。



組み直します。
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調整できるところも少ない(ほぼない)ので、バラしたものは元通りに組み立てればOKです。

M04は非常に珍しい車両ですので、キャブレター分解清掃の役には立たないかもしれませんが、



こんなキャブレターもありますよ、という事で。




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SR400エンジン異音対策。カムチェーンテンショナーの調整方法

バイクも長年乗っていると、いくらオイル交換を頻繁にしていたとしても部品の消耗や劣化はさけられません。

これらの消耗や劣化した部品を放置しておくことは、バイクが取り返しのつかない状態になる原因となります。


何か異変に気付いたら、放置しないですぐに対策する事が重要です。



今はお金が無いから・・・・

今は時間がないから・・・・

大した事なさそうだから・・・・



不具合は不具合を呼び、連鎖して行きどんどん拡大して行きます。


こんな感じで放っておくと、バイクを買い替えないといけなくなってしまうかもしれません。


お金も時間も沢山かかり大した事になります。




心臓部分であるエンジンの異音等は特に気をつけたいですね。

エンジンの異音には簡単な部品の調整で何とかなる事も多いです。(そうでない事もあります)
特に走行距離の多いものはエンジンのタペットクリアランスが狂っていたり、カムチェーンがのびて緩んでいたりする事で異音が発生している事が多いです。
これらは簡単な再調整で解決できるので是非挑戦して頂きたいです。



ここではYAMAHA SR400のカムチェーンの調整方法を紹介致します。



まず、カムチェーンテンショナーのカバーを外します。
外した時に多少オイルが垂れるので、ウエスなどを敷いておくと良いです。

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カバーのしたにある22mmのナットを緩めます。
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真ん中のマイナスねじとその外側のナットのが同じになるようにナットを回して調整します。
この時、マイナスドライバーで真ん中のマイナスねじが一緒に回らないようにします。(押し込まないように注意)
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22mmのナットを締めます。

カバーを元に戻します。




以上。



チェーンテンショナーは緩すぎるとチェーンが暴れて異音の原因となりまた、スプロケットの消耗を早めます。
締めすぎるとエンジンに不要な負担がかかり、また、チェーンやチェーンテンショナーの消耗を早めます。


SR400のチェーンテンショナーはスプリングを利用した半自動調整機能つきですが、調整範囲が狭いため定期的な調整が必要です。




「固めのエンジンオイルに交換したら異音がなくなった。」


と言う話を良く聞きますが、


それは、誤摩化しているにすぎません。

異音が出たら根本的に直さないと取り返しのつかない状態に発展するので、早急に対応しましょう。







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SR400フロントフォークの洗浄とオイルシール交換

バイクも古くなってくるといろんなところに不具合が出てきます。

その不具合を放置して使用していると、取り返しのつかない故障に繋がる事が多々あります。


日頃のメンテナンスや早めの修理は大切ですね。





こちらのYAMAHA SR400は1998年式です。

年を経て色々カスタムされているようです。

カスタムはされているようでしたが、メンテナンスはあまりされていない状況で、フロントフォークのシールが劣化してオイルが漏れていました。

今回はSR400のフロントフォークをオーバーホールする大まかな流れをざっくり紹介したいと思います。

オイルシールを抜き取る方法は色々ありますが、ここではシールリムーバー(シールプーラー)と言う工具を使って抜き取る方法を実践します。

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まずはフロントホイール、フェンダーを外します。
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フォークチューブのトップに写真のような六角穴のトップスクリューで蓋がしてあります。
このトップスクリューをこの時点である程度緩めておきます。
フォークを車体から外した後では緩めるのに苦労します。
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六角は17mmの幅です。
こんなに大きな六角レンチを持っている人は少ないと思います。
滅多に使う場面が出てきませんから、新たに購入するのはもったいないです。

ホームセンターにいけば、”ロングナット”として写真に写っているようなナットが売っています。
使用スパナ幅17mmのもの(写真のものはネジ穴はM10でした)を購入します。
素材にもよりますが、150円〜350円くらいで買えます。

このナットにスパナをかけて緩めます。少し緩まればOKです。
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トップスクリューを緩める事ができたら、次に、上下ステムのピンチボルトを緩めます。

ピンチボルトを緩めるとフォークチューブを下から抜く事ができます。
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フォークチューブを車体から取り外したら、トップスクリューを完全に緩めます。
先ほどと同様にナットにスパナをかけて使用します。
fork top


注意!!
フォークの中にはスプリングが入っています!!
写真の様に上からしっかり押さえながら、ゆっくり緩めます。
最後のネジが外れる瞬間に、ビヨン!!となります!!
fork top cap open



トップスクリューが外れたら、スプリングを取り出し、中のオイルを出しましょう。
インナーチューブを伸ばしたり縮めたりしてオイルを抜きます。

こんなに汚れていました・・・・
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中のオイルがある程度抜けたら、そこにある六角ネジ(アレンボルト)を外します。
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中のダンパーロッドが供回りして外せない場合は、

などを使用してダンパーロッドを固定し、緩めます。
インパクトを使用して外すと、組み立て時にきっちり閉まらずオイル漏れの原因になります。


次に、オイルシールストッパーリングをマイナスドライバーなどで外します。
オイルシールストッパーリングが外れたら、インナーチューブを引っこ抜きます。
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インナーチューブが抜けたら、劣化したオイルシールを破壊します!!
どうせ捨てますからね。

アウターチューブに傷がつかないように充分注意しながら、タガネを使用してオイルシールを4カ所ある程度破壊します。


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4カ所破壊できたら、アウターチューブに傷がつかないようにゴム板などで保護しながらシールリムーバー(シールプーラー)をかけてシールを抜き取ります。

シールリムーバー(シールプーラー)はこちらからも探せます。

オイルシールはかなりきっちりはまっていますので、先ほどの破壊行程を行わないと、固くてなかなか抜けません。
固いのに無理に力を加えるとアウターチューブに傷がついてしまいますので、破壊を行うわけです。

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あんだけオイルが汚れていると言う事はフォークの内部は相当汚れています。
バラバラにしてすべての部品を洗浄します。

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キレイになったらダンパーロッドをインナーチューブに戻し、インナーチューブをアウターチューブに戻し、底の六角ボルトを締めて組み立てます。
ここには銅ワッシャーが使用されています。オイル漏れをさける為に外したら新品に交換しましょう。

インナーチューブが組み立てられたら新しいオイルシールを取り付けます。

予め、シール部分にはフォークオイルを少し塗っておきます。
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直径35mm用のフォークシールインストーラーを使用してシールを打ち込みます。

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様々な径に使用できるユニバーサルタイプのものもあります。
例えば、



オイルシールをしっかり打ち込めたら、ストッパーリングを取り付けます。

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新しいフォークオイルを入れます。
今回は標準の182ccとします。
フォークオイルの粘度や量でフォークの沈み具合などがかわります。
好みのフィーリングになるように色々試してみるのもいいですね。
fork oil



スプリングを入れます。
スプリングはコイルの巻き具合が密な方と荒い方があります。
密な方が下(ダンパーロッド側)です。
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フォークのトップスクリューを締めるのが少し大変ですが、バラした手順と逆手順で組み立てて行きます。


完成。

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プロフィール

爆音さん

Author:爆音さん
整備やカスタムについて共有しましょう。
現在行っているものや、整備学校時代に撮った写真を使って記事を書きたいと思います。
ハーレーに限らず、バイクを分解整備する時に是非使って頂きたいのが、適切な工具とメーカー発行のサービスマニュアルです。
マニュアルには分解手順、注意点、締め付けトルク、組み立て手順が記されています。
特に、ハーレーのマニュアルはその順序が事細かにかかれていると思います。しかし、日本語のサービスマニュアルがあまり出回っていないのも事実。
ほんの少し、分解整備の手伝いになればと思います。
分解整備は個人の責任に於いて行ってください。

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