ハーレー旧車用の3点スイッチの動きが悪いときは・・・


ナックル、パン、サイドバルブなど、ハーレーの旧車のヘッドライトのHi-Loの切替スイッチ。


レトロな雰囲気を醸し出します。


このスイッチはON-OFFやHi-Loの切替に使用されているもので、2点式のスイッチです。



当時はウインカーなどは付いていませんでしたので必要なかったのですが、現在では車体にウインカーが付いている事が当たり前なので、ウインカーを付ける訳ですが、その際に必要になってくるのが、

L-OFF-R

の3点式スイッチです。


IMG_4673.jpg



もちろん、年式によってはウインカーが付いてなくても車検は通るのですが、現代の交通事情では手信号を理解している人も少なく、安全面から考えてウインカーの装着はあった方がいいと言うのが私の見解です。


パーツメーカーなどから販売されている小型の集合スイッチを利用してハンドル周りをすっきりさせるのもいいですが、レトロな雰囲気のスイッチを使用してもこれまたいい感じです。

この、レトロな雰囲気の3点式スイッチは新品でも動作が良くないものが多く、スイッチをOFFの位置に戻すのが一苦労・・・・

なんて事は、よくある事です。

そんな、3点式スイッチの動きをスムーズにして、快適に使用できるようにする方法をご紹介致します。


※以下の作業はすべてスイッチにバッテリー電流が流れていない状態で行ってください。
電流が流れている状態で作業するとショートする場合があり危険です。




まず、スイッチをハンドルバーから外します。
スイッチを裏から見ると写真でもわかると思いますが、黄銅製のプレートが確認できます。
このプレートでスイッチの部品がスイッチカバーに固定されています。
IMG_4674.jpg


次に、写真のように黄銅製のプレートとそのしたの黒いプラスチック部品の間にマイナスドライバーなどを差し込み、プレートを持ち上げ分解します。
この時、黄銅製のプレートは多少曲がって変形してしまいますが、気にしなくて大丈夫です。

曲がってしまったプレートをまっすぐになるように修正しても、組み立てる時にまた曲げないといけなくなるので曲がったままにしておくのがです。
IMG_4676.jpg


スイッチは配線の付いているベース側と、この問題の部品に別れます。
IMG_4671.jpg


加工するのはこの中のエノキのような形をしたこれまた黄銅製の小さな部品ですが、この時注意しておきたいのが、
黒いプラスチック部品と黄銅製部品の間に入っている小さなスプリングの存在です。
このスプリングはスイッチが動作するのに必ず必要な部品ですので、
分解中や組み立て中に落としたり、
飛ばしたりして、
無くさないように十分注意してください。
IMG_4677.jpg


中の小さなエノキ部品の頭には溝が付いています。
この溝の形がスイッチの動作に大きく影響します。

山が高く、溝が深く、角があるとスイッチの動作は固く、渋くなります。
山はなだらかで、溝が深くならないようにヤスリ等で削ります。
IMG_4672.jpg


なだらかになったら、グリスを塗って元通りに組み直します。

スイッチが組み直せたら最後に曲がっていた黄銅製のプレートをまっすぐに伸ばします。

組み上がったらハンドルに固定して動作を確認してみましょう。

ハンドルに組み付ける前は動きがスムーズだったのに、ハンドルに付けると動きが渋くなるときがあります。
これはハンドルバーに中の黄銅プレートが押されて、スイッチ部品が圧迫されて動き難くなっている為である事がほとんどです。

そんなときはエノキの山をもっとなだらかにしましょう。

動きがスムーズなのを確認したら電気を流してウインカーの動作を確認しましょう!!



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ビードの落ちたバイクのチューブレスタイヤに空気を簡単に入れる裏技!!

前々回記事、『スクーターにも愛を!!JOG ポシェのシートが破れている原因!?』に、前回記事、『JOG ポシェのバッテリー交換』に登場したジョグポシェですが、

今回の整備のメインイベントはこちらのパンクです。

完全にタイヤのビードが落ちています。

JOG Poche パンク


走っていて、交差点で曲がろうとしたら突然タイヤが”ふにゃ”っとなった、らしいです・・・・。

このスクーターは、チューブレスタイヤですので、突然”ふにゃ”っとする事は考え難いです。
チューブレスタイヤが突然ふにゃっとなるときは、結構派手なパンクである事が多く、その時には「パン!」の様な音がします。

私は、今回のケースはコーナーにさしかかるまでに既にタイヤの空気は抜けていたと判断しました。
変形したスクーターのホイール


ホイールを見ると、一部変形しています。
空気が入っていない状態で道路の段差に差し掛かって変形したか、何かでしょう。

タイヤのビード部分をよく見ると・・・
ビードの劣化


ズーーーム!!
摩擦で劣化したタイヤ


タイヤのビード部分が摩擦で消耗しています。
これはタイヤがホイールに密着しておらず、空回りしていた証拠!!

ここから、タイヤに空気が入っていない状態でかなりの距離を走行していたと予測できます。


では、原因は!?
タイヤの空気は自然に抜けて行きます。
特に、乗らないで長く置いておいたタイヤの空気は抜け易いです。


バイクのタイヤは少なくとも1ヶ月に1回は空気圧の点検をしてください。


バルブをチェックしていると、バルブのゴム部分が劣化して亀裂が入っていました。
バルブが割れてそこから空気が漏れていたのでしょう。
破損したエアバルブ


変形したホイールから漏れる事もありますが、今回のホイールの変形は空気が入っていない状態で走行し、段差などによって変形したのではないかとおもいましたので空気漏れの直接の原因とは考えませんでした。

変形したホイールは叩いて修正しました。

亀裂の入ったバルブは新品に交換し、

また、リア側のバルブが経年変化で破損しているとすれば、同年代の部品であるフロント側のバルブもそろそろ寿命です。
問題が起きる前に交換しておきました。

この手のバイクのエアバルブはタイヤのビードが落ちていればタイヤをホイールから外さなくてもできます。
バルブを交換したり、タイヤを交換したらエアコンプレッサーを使用して空気を入れる訳ですが、

「ホイールとタイヤの隙間から空気が漏れて、タイヤに空気が入らないのですがどうしたらいいですか?」

と言う、質問を度々受けますので、ビードが落ちた状態のタイヤに空気を簡単に入れる方法を紹介致します。


これです。
タイヤをタイダウンで


タイヤをぐるり、タイダウンで適度に締めます。
これで空気を入れたら簡単に空気が入り、「バン!バン!」と音を立ててビードがホイールに入ります。


タイヤの空気圧、チェックしてみてはいかがでしょうか?


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JOG ポシェのバッテリー交換

前回記事、『スクーターにも愛を!!JOG ポシェのシートが破れている原因!?』に登場したジョグポシェですが、当然のようにバッテリーもあがっていました。

作業している間にバッテリーを充電するため車体から取り外します。

バッテリーは取り扱いを間違えると大変危険な部品ですが、気をつけるべき点をしっかり押さえていれば、バッテリーの交換は非常に簡単です。


バッテリーを扱う時に絶対にやっては行けない事
・マイナスターミナルとプラスターミナルをショート(短絡)させる事。


スパナ等の金属製の工具がマイナスターミナルとプラスターミナルに同時に触れると、最悪、バッテリーが爆発します!!

また、バイクのバッテリーは「フレームグラウンド」と言って、バッテリーのマイナス端子はフレームにつながっています。
それはつまり、バイクのフレームはバッテリーのマイナスターミナルと同じ役割をしていると言う事です。

プラスターミナルを触っている時にフレーム(金属の露出した部分)に工具があたると、

バチバチッ!!

と、火花が飛んで、

最悪、バッテリーが爆発します。(電気部品も壊れるときがあります)


では、少し見てみましょう。


JOG ポシェのバッテリーは車体の左側にあります。
サイドカウルを固定しているねじを2本外します。

JOG Poche サイドカバー



すぐにバッテリーが確認できます。
バッテリーが確認できたらバッテリーにつながっているマイナスターミナルを外します。
JOG Poche バッテリー


マイナスターミナルを外す事でフレームとバッテリーのマイナスとの繋がりがなくなりますので、安心してプラスターミナルを外す事ができます。

マイナスを外したら次はプラスターミナルを外します。
JOG Poche バッテリー外し


両方のターミナルが外れたら、バッテリーを固定しているカバーを外すのですが、
ここにはトルクスと言う、特殊なねじが使われています。
普通のドライバーでは外せませんので、持っていない人は購入するか、借りてください。

デイトナ(DAYTONA) イジリ止めトルクスレンチ 9サイズセット 43168


T25.jpg



これを外したら、バッテリーがズボッと取れます。

再びバッテリーを取り付けるときは逆の手順で。

ターミナルをバッテリーに取り付けるときはプラスが先です

こちらの過去記事も参考にしてください。



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スクーターにも愛を!!JOG ポシェのシートが破れている原因!?

世の中の原付スクーターは、日常の足としての使用を目的に購入される場合が多いと思います。

購入したすぐは大切にしていても、段々扱いが悪くなっていたりしませんか?



・タイヤがぺちゃんこのスクーター

・カウルが割れてるスクーター

・ウインカーが点灯していないスクーター

・ホーンが鳴らないスクーター

・白煙を大量に吐きながら走っているスクーター

・ガラガラと異音を発しながら走っているスクーター

・シートが破れてボロボロのスクーター





どれか一つでも当てはまるならば、そのスクーターにもうすこし愛をあげてください。


私はスクーターを使用しませんが、こういった愛されていないスクーターを見ると心が痛みます。


バイクはメンテナンスフリーではありません。


もちろん、カウルやシートのように時間が経って劣化するものもありますし、ブレーキ、タイヤ、エンジン部品などのように、毎日少しずつ消耗していくものもあります。



バイクは日頃の手入れや、整備等で毎日調子よく走ってくれます。

自分でできない人は、バイク屋さん等に頼みましょう。



でも、自分でもできる事はあるはずです。

洗車をしたり、給油したり。

丁寧に扱ってあげる事です。



こちらのスクーター。以前にも登場しました。
YAMAHA JOG POCHEです。
結構古いバイクですね。
JOG Poche


使用されているのは、整備の「せ」の字もわからないような女性です。

シートが破れています。
古いものなのでシートカバーが経年劣化して硬化し、割れてきたのでしょうか?
JOG Poche シート


しかし、破れているのは座っている位置ではなく、もう少し後ろです。

リュックサックを背負って乗る方のスクーターにもよくある症状ですが、このスクーターの使用者の方はリュックは背負いません。




では、原因は何かと言うと・・・・





バーン!!
JOG ポシェシート


シートの開閉が荒っぽく激しいため、

シートを開けた時にメーターダッシュに毎回叩き付けられていたのです!!


優しくしてれば・・・・




毎日、あなたの為に働いてくれているものに対して、その仕打ちですか・・・?




破れたら交換したりもできます。


お近くのバイク屋さんに相談しましょう。




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これはイイ!!カスタム車両にももってこい!バッテリーテンダー・リチウムイオンバッテリー

最近新しく発売された、Deltran Battery Tender(デルトラン バッテリーテンダー)リチウムイオンバッテリーについて紹介致します。

Deltran(デルトラン)とはアメリカのフロリダに本拠地を置く会社で、長年に渡って、ハーレーの純正バッテリーチャージャーをOEM製造してきた、由緒正しき会社です。

その、デルトランがこの度、自信を持って発売したのがこの、リチウムイオンバッテリーです。

IMG_4522.jpg




従来のハーレー純正バッテリー等のAGMバッテリーと比較して重量が1/5以下

寿命が5倍!!

鉛や希硫酸を使用しないため発火や有毒ガスの発生がなく環境にも優しく安全です!!

しかも、3年保証付きです。


現在はまだ5種類の大きさしか出ていませんが、商品にはバッテリーケースとの隙間を埋める為のスポンジも同封されています。

IMG_4523.jpg


写真のものは現在発売しているもので一番小さいものですが、

大きさは、107mm x 56mm x 85mmで

重さはなんとたったの430gです!!



めちゃくちゃ軽い!!




普通バッテリーのように希硫酸を使用していませんので、液漏れによる塗装剥がれの心配も無く、横に寝かせて使用する事もできます。
また、バッテリーターミナルが+−2つづつ付いていますので、配線の取り回しに悩む必要もありません。

そして、すばらしいのは自己放電が非常に少ない事です。

長期放置しているとバッテリーは自然に放電して、いつの間にかバッテリーがあがってしまいますが、このリチウムイオンバッテリーは従来のバッテリーに比べ、自己放電が少なくバッテリーも長持ちします。

専用の充電器も発売されていますが、従来のバッテリー充電器での充電も可能です。(※サルフェーション融解機能付き充電器は、バッテリー故障の原因となりますのでご使用になれません。)



・バッテリーの交換をお考えの方。
・車体を軽くする為にバッテリーレスにしてセルスターターをあきらめ、アイドリングが不安定になりウインカーの動作も不安定な方。(特に、信号待ちでエンストして焦ってしまう方)
・カスタムするのにバッテリーを移動させたい方。


このような方々にオススメです!!


もちろん、現行の12V電装系のバイクでしたら、ハーレー以外の国産車にも使用できます。



興味のある方はまずはお問い合わせください。

Deltran Battery Tender についてのお問い合わせはこちらから〜





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サイドバルブのバルブカバーを外すのに必要なレンチ

世の中に、一体何人、サイドバルブのバルブカバーを開閉する必要のある人がいるのかわかりませんが、

ここでは、それが必要な人には必ず必要な工具を紹介したいと思います。




タペットのクリアランスが狂ってきて、カチカチと音が鳴ってきたならば調整が必要です。





サイドバルブのバルブカバーはビッグツインのプッシュロッドカバーのように押し下げて外せる物ではなく、
タペットブロックにねじ込まれていますので、このねじをまわすスパナが必要になってきます。


ここで問題になってくるのが、サイズではなく、形です。


サイドバルブは前シリンダーの排気バルブとジェネレーターの距離が非常に近く、通常のスパナでは入りません。

写真のような、専用のスパナを使用する必要があります。
サイドバルブ バルブカバー


これが、その、バルブ周りに使用する専用スパナ。
先端がかなり細くなっています。
サイドバルブ用スパナ


これでもギリギリです。
サイドバルブ バルブカバーレンチ




滅多に使わない物ですが、必要な時に無いと困ります。

旅先でのトラブル対策の為に私はこれを車載工具にも入れています。



専用工具(SST)のお取り寄せの相談はこちらから〜
もしくは







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プロフィール

爆音さん

Author:爆音さん
整備やカスタムについて共有しましょう。
現在行っているものや、整備学校時代に撮った写真を使って記事を書きたいと思います。
ハーレーに限らず、バイクを分解整備する時に是非使って頂きたいのが、適切な工具とメーカー発行のサービスマニュアルです。
マニュアルには分解手順、注意点、締め付けトルク、組み立て手順が記されています。
特に、ハーレーのマニュアルはその順序が事細かにかかれていると思います。しかし、日本語のサービスマニュアルがあまり出回っていないのも事実。
ほんの少し、分解整備の手伝いになればと思います。
分解整備は個人の責任に於いて行ってください。

リンク
www.backon.jp
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